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名古屋の浅草「大須観音」の隠された歴史とは?

名古屋地名の由来を歩く【知られざる寺院の魅力①】

日本三大観音の一つ

 地下鉄の駅を降りると、すぐ目の前が大須観音の境内である。「大須観音」は通称で、正式には「北野山真福寺宝生院(きたのさんしんぷくじほうしょういん)」という。真言宗智山(ちさん)派の別格本山である。

名古屋の顔の一つ、大須観音

 日本三大観音の一つともいわれるだけあって、堂々たる本堂である。今の建物は南を向いているが、以前は東を向いて建っていた。理由はすぐ西隣に伏見通りを通したことによるものらしい。

 現在の大須観音の南側には歌舞伎座をはじめ多くの劇場等が立ち並んでいた。そして西側にはかつて遊郭があって、多くの人々で賑わった。東に向かう仁王門通り(大須門通り)は多くの仲見世が軒を連ねていた。名古屋名物の「ういろう」もこの大須から誕生している。

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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  • 谷川 彰英
  • 2011.10.08